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不動産所有者の氏名・住所変更登記義務化に対処していますか?

これは令和8年4月1日後の氏名・住所変更のみを対象とするのではなく、令和8年4月1日より前に氏名・住所変更があったのにその変更登記をしていない人も対象になります。

私は埼玉県と秋田県に不動産を所有していますが、全ての不動産につき現在の住所(埼玉県川口市)にしていますが、もし、していなかったらどうなっていたかを考えたいと思います。

私は、東京都杉並区にある予備校で受験勉強するために秋田から杉並区に引っ越しました。更に予備校が半年で倒産して新宿区にある予備校に通うために杉並区から新宿区に引っ越しました。拓殖大学に合格して新宿区から八王子市に引っ越しました。拓殖大学は3年生からは茗荷谷校舎になるので、八王子から埼玉県鳩ケ谷市に引っ越しました。祖母と母が埼玉県川口市に家を購入し、そこで三人で生活するために鳩ケ谷市から川口市に引っ越しました。土地家屋調査士試験に合格して東京都北区で開業したしたので、川口市から東京都北区に引っ越しました。事務所の大家さんがご逝去され、相続人が大家さん所有の不動産を売却するとのことになり、北区から川口市に引越し、現在は母と一緒に住み、土地家屋調査士をしています。引越し回数は7回になります。これら全てを登記しなかった場合、5万×7で35万の過料になります。これは大きいです。

一方、引越しの度に司法書士に依頼して変更登記をしてもらった場合、いくらになるでしょうか?変更登記申請書には引越しの事実(住所変更の事実)を記載している書類の添付が必要になります。それが住民票になります。住民票をマイナンバーカードを利用してコンビニで取得した場合、1通200円になります。更に変更登記には登録免許税が必要になります。不動産の個数×1000円が登録免許税になります。仮に不動産の個数を2とした場合、登録免許税は2000円になります。2200円は経費として絶対に必要になります。それに追加して司法書士への報酬が必要になります。ネットで検索したら、1万から2万円が相場とありました。2万円とした場合、合計で22,200円×7で155,400円となります。過料を納めるよりはかなり格安です。

私は獨協大学大学院在学中、千代田区の司法書士事務所でバイトしていたので、自分に関する変更登記は自分で書類を作成して申請したので、経費のみで済みました。

しかし、少しでもお金は払いたくないのが人情です。現在は秋田と川口にある私所有の不動産については現住所である埼玉県川口市で登記していますが、今後、引越しをしないとは断言出来ません。もし、引越ししたら、最低限経費と書類作成の時間は費やすことになります。出来れば、これらかも逃げたいものです。

そんな私がある日仕事で法務局に行ったところ、「スマート変更登記」の掲示を見つけました。氏名・住所変更登記を登記官が職権でやってくれると書いていました。検索用情報申出を事前にすると、法務局がそれに基づいて定期的に住基ネットを検索して、所有権登記名義人の氏名・住所に変更があったと確認した場合に、所有権登記名義人に職権で変更登記をしてもよいかを確認して了解であれば、職権による変更登記をし、それにより、変更登記義務履行とされるとありました。

検索用情報申出が施行された令和7年4月21日に直ちに川口の登記所に行き、川口市内に所有する不動産について申出をしました。その書類が下記のとおりです。

川口の登記所に聞いたところ、秋田にある不動産についても川口の登記所に申出すると、一緒に手続きしてくれるとおっしゃたので、秋田の不動産についても申出書を作成して川口の登記所に提出しました。私はマイナンバーカードを取得していたので、マイナンバーカードのコピーを添付しましたが、運転免許証のコピーでも大丈夫だそうです。

その後、申出書記載のメールアドレスに「申出手続完了のお知らせ」が送られてきました。

申出書作製も簡単で、これだけで変更登記は登記官が職権でやってくれるのは大助かりです。

是非、皆様も検索用情報申出をしてスマート変更登記を。「法務省 スマート変更登記」で検索すると、「スマート変更登記のご利用方法-法務省」が出てきます。

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